ステロイドは怖い薬なのか

一般に「ステロイド」といわれることの多い「ステロイドホルモン」は、もともと人体の中で副腎という触織で産生されている、ホルモンです。このホルモンなしでは生きていけないほど大切で、いろいろな働きをしています。これを薬剤にしたものがステロイドホルモンで、世界中でいろいろな病気にたくさん使われています。大きな薬理作用としては、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用です。

臓器移植などで免疫を抑える時にも使われます。そして炎症を抑える作用も強く、組織の勝れを取る効果にも優れています。脳を損傷した時に脳浮腫が起こると、とても危険なので、ステロイドホルモンの大量投与が短期間行われます。頚椎などの脊椎・脊髄損傷でも、受傷直後にステロイドホルモンの大量投与によって、その後の麻痔が少なくなるとの報告もあります。

ほとんどの科でステロイドホルモンはさまざまに使用されており、なくてはならない薬剤です。すべての薬剤の中でもっとも適応症が多いともいわれています。万能の薬といわれたこともあったほど、この世になくてはならない薬剤です。

しかし副作用もいろいろあります。大量に長期間服用すると、感染症を起こしやすくなったり、糖尿病を起こしたりします。緑内障では、眼圧を上げて悪化させることもあるので注意が必要です。骨の中の血管炎を生じて、大腿骨頭壊死症をきたす場合もあります。中等量の投与でも、肥満や満月棟顔貌(ムーンフェース)と呼ばれる、顔が丸顔になる副作用などもあります。

また、ステロイドホルモンを長期間使っていて急に止めると、リバウンド(反動)や離脱症候群と呼ばれる重篤な副作用をきたすことがあります。ステロイドホルモンを減らす時や止める時には、医師と相談しながら、徐々に体をだましだまし減らしていく必要があります。