半身浴で朝まで熟睡!アレルギー症状の緩和にもよい影響が

◇精神的な疲れやストレスも解消

「半身浴」が健康や美容にいいということで、雑誌やテレビなどを大いににぎわせています。半身浴とは、みずおちから下を、ゆっくりぬるま湯につける入浴法です。

半身浴も、肩までつかる全身浴も、体を温めるという目的は同じです。ただし、全身浴だと、体全体に水圧がかかり、心臓や肺への負担が大きくなります。その点、半身浴はこうした内臓への負担が少ないため、血圧が高い人や心臓の出駒い人も、安心して行えます。

また、半身浴は、のぼせずに長時間お湯につかっていられるため、体を温める効果が高いのも特長です。

全身浴のほうが体が温まりそうですが、前述したように、心臓や肺へ負担がかかるため、体が温まる前にのぼせてしまいます。半身浴で長時間ぬるま湯につかったほうが、血液循環がよくなり、体の芯まで温まります。また、入浴後も保温効果が続くため、湯冷めしにくいのです。

さらに半身浴は、リラックス効果もあります。半身浴の温度は、夏は39度、冬は40度くらいが目安です。この温度が、体が最もリラックスするのです。そのため、肉体疲労だけでなく、精神的な疲れやストレスの解消にも役立ちます。

実際、夜に半身浴をすると、スムーズに入眠でき、睡眠の質も向上することが、足利工業大学睡眠科学センターの小林敏孝教授らの研究でわかっています。

寝つきの悪い学生を被験者として、夕食後1時間前後に、半身浴を1カ月間続けてもらいました。すると、以前は入眠まで30分以上かかっていたのが、5~15分に短縮したのです。そして、睡眠の前半で深い眠りを示す脳波が現れ、睡眠途中で目覚めることなく、朝までぐっすりと眠れるようになりました。

◇汗を洗い流さないほうが体にいい

半身浴の効果を得るためには、最低でも15~20分はお湯につかりましょう。それくらい入浴していると、汗がジワジワと出てきます。

汗には2種類あります。一つはアポタリン腺から出る汗で、老廃物や脂質を含んでおり、嫌なにおいがしたり、ベトベトしていたりします。もう一つは、ユタリン腺から出る汗で、ほとんどの成分が水分でサラサラしており、体温調節のために働いています。

半身浴でじっくりと汗をかくと、ユタリン腺からだけでなく、アポタリン腺からも汗を出すことができます。そのため、体内の毒素を排出でき、健康効果を高められるのです。

以前は「汗をかいたらすぐに洗い流すべき」と考えられていました。ところが、最近は、「汗を流さないほうが肌にいい」といわれるようになっています。汗には、保湿効果があるためです。

ですから、例えばアトピーなどで肌がカサカサしている人は、半身浴をしたら汗を流さず、そのままにしたほうが肌の改善に役立ちます。

ちなみに、アトピーをはじめ、アレルギー疾患の患者さんを診察すると、手足が冷たいケースが多いものです。半身浴で体をじゅうぶんに温めて冷えを改善すれば、アレルギー症状の緩和にもよい影響が現れると考えら
れます。

半身浴は大量の汗をかくので、特に注意したいのが、水分補給です。

ただし、入浴中に水分補給をすると血液が胃に集まり、血液循環促進の妨げとなる恐れがあります。そこで、おふろから上がってからの水分補給をお勧めします。

補給する水分は、水や麦茶に塩をひとつまみ入れたものがいいでしょう。汗をかくと、水分だけでなく、塩分もかなり失われるので、それを補う必要があるからです。市販のスポーツドリンクは、糖分も入っているので、もしも飲むなら薄めてください。

「頭寒足熱」は健康の基本とされていますが、半身浴はまさにその状態を作り出しています。下半身を温めれば、脚に滞っていた血液が、温まった状態で心臓に戻ります。

全身の血流がよくなると、代謝が上がるため、太りにくい体質にもなるでしょう。しかし、半身浴の利点は多いのですが、飲酒後は避けてください。