白湯を飲んで消化力を高めれば、血管は健康を取り戻すことができる

◇胃腸が温まり血液を浄化する

インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、血液の流れが悪くなるのは、体に「アーマ」がたまっているからだと考えます。

アーマとは、食べ物が消化しきれずにできる毒素、あるいは病気の元といい換えられます。

私たちが食べたものは、胃腸で消化されて腸壁から吸収され、毛細血管に入り、静脈を経て、肝臓に入って代謝されます。代謝による最初の産物が、血液中の液体成分である血しょうです。血しょうは、さまざまな組織の栄養になります。

ところが、じゅうぶんに代謝されない血しょうはアーマとなり、体に悪影響を及ぼします。

アーマは粘性が高いので、血管の内壁にこびりつき、血液の流れを妨げます。そのほか、組織のすきまにも入り込み、関節に尿酸をたまらせて痛風の原因にもなります。

だるい、疲れやすい、やる気が出ない、日中眠いなどの症状があったら、血液中にアーマがたまり始めている証拠です。アーマがふえることで起こる代表的な症状が、動脈硬化です。

アーマをなくすことが動脈硬化の予防となり、きれいな血管と血液を作る基本となります。

では、アーマをなくすには、どうしたらいいのでしょうか。

前述したように、アーマは未消化の食べ物です。ですから、胃腸の消化力を高めることが重要になります。

アーユルヴェーダでは、消化力のことを「アグニ」といいます。アグニの力を高めれば、血液がサラサラになり、病気の元凶も発生しません。

消化力を高めるために、お勧めしたいのが、白湯です。

白湯を飲むと、胃腸が温まると同時に、胃腸の中をきれいに掃除することができます。その結果、消化力が高まり、アーマが燃えて、血液も浄化されるのです。

白湯の基本的な飲み方を紹介しましょう。

まず、朝起きたら、コップに1杯の白湯を飲みます。すするように、少しずつ飲むようにしてください。

さらに、昼食と夕食をとる際にも、食事中に白湯を1杯ずつ飲みましょう。

動脈硬化が進んでいる人、つまりアーマがたまっている人の場合は、食間にも白湯を飲むようにしてください。20~30分おきに、1口ずつ飲むのをくり返すのです。

便秘の人は、白湯を飲むときに、レモン汁数滴と塩を1~2つまみ加えて飲めば、たちまち便通がよくなります。

ただし、胃潰瘍や胃炎などのある人には刺激が強いので、レモン汁と塩は避けてください。白湯だけでも、効果は望めます。

◇心臓の動脈の詰まりが90%↓30%に縮小

アーマの浄化を助けるために効果を発揮するのが、スパイスです。

クミン、コリアンダー、ジンジャーの粉末を、同量ずつ混ぜておきます。これを、昼食と夕食のあと、ティースプーンに1杯ずつ口に含みましょう。粉薬を飲むように、そのまま口に入れて、白湯で飲みます。胃腸の働きがよくなり、消化が進みます。ジンジャーの風味がきつく感じる人は、半分にへらしてもかまいません。

黒コショウの粉末もお勧めです。細い血管の血流が改善するので、脳梗塞や脳血管性の認知症の予防になります。スープや炒め物などに、こまめに使うといいでしょう。

ターメリックも血液を浄化し、脳の神経細胞の活性化に役立ちます。先に紹介した3種のスパイスにターメリックを加えるのもお勧めです。

血管にアーマがたまらないようにするには、消化の悪い食品を避けることも大事です。

消化の悪い食品の一例を挙げると、牛肉、魚、チーズ、ヨーグルト、イモ類、卵などです。しかし、これらの食品を全く食べないわけにはいきませんから、食べ方の工夫をしましょう。

私たちの体の消化力は、朝と夜が低く、昼が最も高くなります。ですから、朝はみそ汁やスープで済ませ、昼はご飯や肉、油物など重いものを食べ、夜は野菜中心にすればいいのです。

白湯飲みと、食事の工夫をすることで、重篤な症状が改善した例があります。

50代の男性Aさんは、心臓を取り囲む3本の冠動脈のうち、2本は90%、もう1本は50%が詰まっていました。手術を受けたくないということで、私のもとに見えました。

白湯飲みをはじめとした食事療法や生活改善を行ったところ、冠動脈の詰まっていた部分が、それぞれ90%から30%、50%から10%まで縮小したのです。その結果、手術をすることなく、体調も改善しました。しかも、5年前に起こした脳梗塞の跡まで、すっかり消えたのです。

よく「かたくなった血管は元に戻らない」「詰まった血管は蘇生しない」といいますが、そんなことはありません。人間の体は、回復する力を持っています。

白湯を飲んで消化力を高め、食べたものをすべて消化すれば、血管は健康を取り戻すことができます。

今からでも遅くありません。ぜひ今日から始めてください。