ペットボトルで首を温めると高血圧や心臓病、糖尿病などに効果が

◇病気を治すカギは脳幹の活性化

病気を予防したり、改善したりするには、日々のセルフケアが欠かせません。

今回ご紹介する首を温めるケアは、肩こりや頭痛などの不快症状や、高血圧など慢性病を改善する効果が高いことから、診療所の患者さんたちにも大変好評です。

首を温めると、なぜ健康が回復するのでしょうか? その答えを握っているのが、脳の深部にある「脳幹」という器官です。脳幹の働きに触れながら、首を温める効用を説明します。

脳幹は、呼吸や体温、心拍、血液循環などの生命活動を支えている器官です。さらに病気を治す力である、自己治癒力にも、密接にかかわっています。

自己治癒力は、次の4つのしくみで支えられています。

①内臓や血管を意思とかかわりなく調整している自律神経系

②病気から体を守る免疫系

③内臓の働きを調整するホルモン分泌をつかさどる内分泌系

④姿勢や運動をつかさどる脊髄筋肉系

脳幹は、これらのしくみの指令塔として働いています。脳幹が正常に機能していれば、4つのしくみが協調して自己治癒力を発揮し、病気を防いだり、健康を回復したりできます。

反対に脳幹の機能が低下すれば、自己治癒力は弱体化して病気にかかりやすくなったり、回復しにくくなったりします。

脳幹の機能低下を招く原因の一つが、頸椎(首の骨)のゆがみです。悪い姿勢を取り続けるなどすると、脳幹がはまり込んでいる後頭骨、第1頸椎と第2頸椎の間にゆがみが生じます。

そうなると頸椎内部にある脳幹が圧迫され、正常に機能しなくなり、自己治癒力の低下を招くことになります。

病気を抱えている人は、例外なく後頭骨と第1、第2頸椎の間にゆがみが認められます。診療所では、頚椎のゆがみを矯正して脳幹を活性化する脳幹療法を行って、慢性病の治療に効果を上げています。

脳幹療法は専門技術が必要なので、一般の人にはできません。そこで、脳幹療法の家庭版として、診療所が患者さんに指導しているのが、冒頭でお話しした首を温めるケアです。

◇慢性的な手のしびれにも効く

後頭部の髪の生えぎわから両耳の下までは、脳幹を効率よく刺激する「脳幹ゾーン」です。この部分にお湯を入れたペットボトルで温熱刺激を与えると、首の筋肉を効果的にほぐし、頸椎のゆがみを解消できます。

すると、おのずと脳幹が正常に機能し、先に挙げた4つの機能も正常化し、あらゆる病気の改善につながります。

もう一つ、リラックス時に働く副交感神経を優位にする効果もあります。これにより、血流を促したり、心身をリラックスさせたりすることができます。

血液がスムーズに流れるようになると、高血圧や心臓病、糖尿病など循環器系の病気が改善します。「円形脱毛症が治った」「白髪が激減した」など、髪の悩みが解消するのも、頭皮の血流がよくなるからです。

副交感神経が優位になると、ホルモンの分泌も正常になり、インスリンの働きがよくなって糖尿病の改善につながります。

さらにこのケアは、メンタルな病気にも効果があります。50代のある女性は職場の人間関係がストレスになり、気分の落ち込み、食欲低下、不眠、不安感に悩まされていました。

そこで、首を温めるよう指導したところ、気分が穏やかになり、ストレスがたまりにくくなりました。やがて、食事がおいしく感じられるようになり、一連の症状も消失しました。

慢性的な手のしびれに悩んでいる人も、首を温めましょう。首の緊張をゆるめ、頸椎のゆがみを正すと、神経の圧迫が取れ、しびれも改善します。

冬季は、こりや痛みなども生じやすくなります。毎日、首を温めると不快症状の予防にもなります。ペットボトルを使い、ぜひ首を温めてください。