黒豆の煮汁で高かった血圧が下がり、耳鳴りやひざ痛まで改善

◇降圧刑を飲まずに1カ月で下がった

ノザキクリニック院長の野崎豊先生が、クリニックに訪れる患者さんに「黒豆の煮汁」を勧めるようになったのは、26~27年前のことです。きっかけは、黒豆の栽培を奨励していた兵庫県からの依頼で、その健康効果を調べてほしいというものでした。

漢方の世界では、黒豆は古くから白髪や耳鳴り、目のかすみ、歯の抜け落ちなど、いわゆる老化に効用があるとされ、重用されています。

ノザキクリニックでは、もともと漢方薬の処方を行っており、興味がある分野だったので、依頼を引き受けました。

野崎先生は、その成分を効率よく摂取するために、煮豆にしたり、皮だけを煮出したり、いろいろ試しました。その結果、黒豆ごと煮て、その煮汁を飲む方法にたどり着いたのです。

早速、遺伝性高血圧の患者さんに、黒豆の煮汁を飲んでもらいました。すると、最大血圧200mmHgを頻繁に超えていたのが、約1カ月で140mmHgまで下がったのです。その間、降圧剤の服用はありませんでした。

黒豆の煮汁効果に確信を得た野崎先生は、研究機関とも連携しながら、ほかの患者さんにも試してもらい調査を進めました。そして、数百人以上の臨床例を経た結果、高血圧や糖尿病の改善に大変効果的だということが、わかったのです。

◇低血圧の人は正常値に上がる

黒豆の煮汁には、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らすグリシニン、リノール酸、レシチン、リグニンや、中性脂肪を減らすリノレン酸といった成分が含まれています。

この中のリノール酸、リノレン酸などは体内に入ると、アラキドン酸という不飽和脂肪酸に変わり、やがてプロスタグランジンという物質になります。

野崎先生は、このプロスタグランジンの中の、プロスタサイクリンというものが血液をサラサラにし、血圧を下げる効果があることを発見したのです。

さらに黒豆は、活性酸素の生成を抑えるアントシアニンや血圧を下げるカリウム、血管の筋肉をゆるめるマグネシウム、血管を拡張するビタミンEなども含有します。それらの作用もあり、血圧が下がるのだと考えられます。

興味深いのは、低血圧の患者さんが黒豆の煮汁を摂取すると、血圧が上がってくることです。もちろん、上がり過ぎることはなく、その人の体に合った最適な状態、つまり正常値内で落ち着きます。

黒豆の煮汁を摂取した人は、耳鳴りや、ひざ痛、肝臓病、腎臓病、西洋医学では薬の処方がないといわれる飛蚊症の改善も認められました。

黒豆の煮汁の作り方は、水につけておいた豆を弱火で半量になるまで煮るだけです。ただ、注意してほしいのは、長時間つけ過ぎないこと。黒豆の皮以外の成分は、三大アレルゲンの一つともいわれる、大豆とほぼ同じです。

長くつけ過ぎて皮が破れると、中のたんばく質が煮汁に流人して、アレルギーを起こす要因になる場合があります。水に浸す時間は、皮が破れないように、5時間までを目安にするといいでしょう。

半量まで煮詰めるというのは、薬効がいちばん安定するといわれている、漢方の煎じ方に準じています。どの産地の黒豆であっても、効果は変わりません。

また、黒豆はカリウムを含んでいます。腎臓が悪い人は、カリウムの摂取量に制限があるので、主治医と相談するようにしてください。

ノザキクリニックでは、現在も漢方薬の処方と併用して、黒豆の煮汁を勧めています。なかには、もう数十年も飲み続けて、持病とよい関係でつきあっている人も少なくありません。

古くから漢方で使われてきた黒豆ですが、現在もなお、企業や研究機関が研究を行い、新たな有効成分や健康機能を次々と発見しています。身近な天然食品である黒豆が持つパワーは、まだまだ計り知れません。