高血圧にならないためには、睡眠をしっかり取り血管を休ませる

◇高齢者の多くが降圧剤を飲まざるをえなくなっている

また、加齢変化を無視して高血圧症の診断が下されているのも問題です。

そもそも加齢による血圧の上昇は、昔から知られる生理現象の一つであり、かつては「年齢プラス90」が正常血圧の上限とされていました。その加齢的変化への配慮を失ったことが、高齢者の多くが降圧剤を飲まざるをえないという異常事態を生み出してもいるわけです。

そこには、「高血圧が動脈硬化の原因になる」という大義名分もあるようですが、実はその認識自体が間違っています。

加齢による血圧の上昇は、老化とともにかたくなる血管組織に対抗し、血流を確保するための反応です。血圧が高くても低くても、その人なりに良好な血流を維持し、血色のよい状態を保っていけば、動脈硬化も生理的な範囲で終わるはずです。

それを、現代人は高血圧を一方的に悪者扱いし、降圧剤の服用で血流を悪化させるから、事態がややこしくなっているのです。近年急増している脳梗塞も、老人性うつ病や認知症も、降圧剤の乱用なしに表面化することは、なかったと思います。

一方、コレステロール低下薬の需要をふやしたのも、「高コレステロール血痕が動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症の引き金になる」と恐れた結果といえるでしょう。

 

 

しかし、動脈硬化は、そもそもコレステロールの過剰摂取に始まるものです。高コレステロール食で巨大肥満になりやすいアメリカ白人には、確かに懸念すべき病態といえますが、食生活の異なる日本人には当てはまりません。

日本人のコレステロール上昇の原因は、多忙な生活にあります。

コレステロールは、細胞膜やホルモンなどの原料です。多忙な生活を乗り切るには、副腎皮質ホルモンや男性ホルモン、女性ホルモンなど、体を丈夫にして活発にする物質が大量に必要です。そのため、血液中にコレステロールがふえるのです。

とはいえ、人間の能力にも限界があります。いつまでたっても忙しさから抜け出せないと、いずれ破綻を招きます。

その際、コレステロールが高い人は、心臓病を発症しやすい事実もありますが、それは体の失敗ではなく、生き方あるいは食べ方の失敗で引き起された障害なのです。

その過程では、必ず体調も悪化しているはずです。例えば、頭痛や肩こりなど、なにかしら不快な症状が出て、顔色も悪くなります。そのようなサインに気づかず、病気に移行してしまう原因も、過酷な生き方にあるのです。

では、どうやって過酷な生き方から脱却していけばいいのでしょうか。

基本は、睡眠をしっかり取ることです。睡眠中は血圧も極端に下がります。つまり、「血圧を最大限に上げて、がんばらざるをえない時間」を、睡眠時間に代え、血管をじゆうぶんに休ませてあげればよいのです。

1日でバランスを取るのが難しければ、1週間あるいは1カ月単位で、血圧が下がる時間を多めに作りましょう。

→性格や活動量によって血圧の正常レベルが違う