降圧剤は一生飲み続けなければならないのか

◇「飲まなくてもいいけど命の保障はないよ」

「この薬を飲むようになって、体がだるくてしかたがないんだよ。朝は起きられないし、午前中はほとんど仕事にならない」

宇田川久美子さんが薬剤師として働いていたころのことです。最大血圧が160mmHgでメタボ診断に引っかかり、降圧剤を飲むようになったAさん(男性・60代)が、こんなことをおっしゃいました。

Aさんは、降圧剤を飲む前、血圧が高くてもこれといった不調はなかったそうです。そこで、Aさんに、主治医に今の状態を話して、薬について相談するようにアドバイスしました。

後日、再び薬局に現れたAさんは、主治医に相談したらこういわれたそうです。

「飲みたくなけれれば飲まなくてもいいけど、命の保障はないよ」

これでは降圧剤を飲まないわけにはいかないでしょう。Aさんは、その後も服薬を続けました。

 

 

Aさんの血圧は、確かに降圧剤で下がっています。でも、血圧が下がれば、それでほんとうにいいのでしょうか。

血圧の基準値が、最大血圧は130mmHg未満になって、50歳の人も70歳の人も、一律に130mmHgを超えると血圧が高いと注意されるようになりました。でも、年齢も体格も体質も一人ひとり違うのに、皆が同じ基準でいいのでしょうか。

そもそも基準値自体があいまいなものです。宇田川さんは、基準値から多少はみ出ていても、当人が不調を感じず、快適に生活を送れていれば、それがその人の適正値ではないかと思っています。

Aさんも160mmHgが適正値で、必要があって血圧が高くなっていたのかもしれません。それを無理に下げたら、調子が悪くなることも考えられます。

 

 

◇体に不可欠な酵素を薬は大量に仙洞費する

血圧が高くなるのには、それなりの理由があります。例えば、高齢になると、血管に柔軟性がなくなって血流が悪くなります。そのため心臓は血圧を上げて、全身に血液を回りやすくします。ですから、高齢になれば血圧が高くなるのは自然のことです。

それを薬で下げると、血液が全身を巡りにくくなります。血流が低下すれば、いちばん血液が届きにくい脳に酸素が行かなくなり、認知症になるおそれもあります。脳だけでなく、全身の細胞にも酸素や栄養が届きにくくなりますから、体調が悪くなるのは当然のことでしょう。

そもそも、薬は石油から作られた化学合成品です。体にとっては異物ですから、これを分解(解毒)するのに、大量の酵素が使われます。

酵素は、消化や代謝など、体内で起こるすべての化学反応を促進させる物質で、生命活動に不可欠のものです。この酵素を使い果たしたとき、人の寿命は尽きるといわれています。その大事な酵素を、薬は大量に消費してしまうのです。

酵素がへると、代謝が落ちて体温が下がります。体温が下がると、免疫力が低下することもわかっています。免疫力の低下は、ガンや感染症のみならず、さまざまな病気を引き起こします。薬で血圧が下がっても、ほかの病気にかかるリスクはむしろ高くなるのです。

 

 

どんな薬でも、薬には必ずよい作用と、悪い作用(副作用)があります。降圧剤の副作用についていえば、カルシウム括抗薬には、動悸や顔のほてり、むくみなど。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬には、からセキ、血管浮腫など。アンジオテンシンⅡ受容体括抗薬(ARB)には、高カリウム血症や腎機能低下など。利尿薬には、頻尿や勃起不全などがあります。

こうした、短期的に現れる副作用も問題ですが、もっと怖いのは長期に使い続けたときの副作用です。10年、20年と飲み続けるうちに、見えない副作用がどういう形で健康を損なうのかは、検証されていないのです。

「降圧剤とは一生のつきあい」と思っている人は多いでしょう。宇田川さんも薬剤師として、そういって患者さんに薬を渡していました。でも、一生のつきあいということは、その薬では病気を治せないということです。高血圧のように、生活習慣が原因で起こる病気なら、薬ではなく、まず生活習慣を変えることです。

宇田川さんは、学生時代から30年間、堪えがたい肩こりと頭痛で、薬漬けでした。1日7種類、17錠もの薬を飲んでいたこともあります。原因は、頚椎(首の骨)のズレなので、一生治らないといわれました。けれども、歩き方や生活を変えることで、薬が不要になりました。

「一生のつきあい」といわれた薬でも、生活習慣を改めればやめられます。皆さんも薬に頼るのではなく、自分自身の治癒力を信じて、まず生活習慣の見直しから始めてください。