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無呼吸を起こしやすい日本人の骨格

睡眠時無呼吸症候群について少し知識のある人では「お腹の出たオジサンの病気」というイメージを持つことが多いようです。そして、「自分はそれに当てはまらないから大丈夫」と漠然と考えている人も少なくないでしょう。

この病気が中高年の太った男性に多いことは事実です。しかし、若い世代や痩せ型の人、女性だから無関係と言いきれません。それは、日本人は欧米人に比べて「睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい特徴」があるからです。

欧米人の場合、睡眠時の無呼吸を起こす最大の要因は、肥満です。肥満によって喉の周辺に脂肪がついて気道が狭まり、それが原因で無呼吸が起きます。

それに対して日本人は、欧米人ほど肥満度が高くなくても無呼吸が起きることがわかっています。肥満度は身長と体重から算出する体格指数(BMI)で表し、日本人では25以上が肥満と規定されていますが、ある統計では日本人の睡眠時無呼吸症候群4800例のうちの約3削が肥満度25未満、つまり肥満ではない、普通の体格の人にも起きているのです。

その理由は、日本人を含むアジア人の骨格にあります。

無呼吸が起こりやすい骨格の特徴の一つは、日本人などのアジア人は、欧米人に比べて顎が小さい人が多いことが挙げられます。

欧米人は顔の輪郭は細くても、顎がしっかり発達した形をしています。顎が大きく発達していると舌が顎の申にしっかり収まり、その分気道が広く確保できます。しかし、顎が発達していないと、顎に納まりきらない舌の筋肉が喉にもせり出し、気道が狭くなりがちです。そして寝ている間は舌が喉に落ち込んでしまい、無呼吸、低呼吸が起こりやすくなります。

顎がある程度大きくても、顎のサイズに対して舌が大きい人や、舌の位置が生まれつき高く、後方についている人も、同様に無呼吸が起きやすい傾向があります。

まったく無自覚の睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群と診断される基準は、次のようになります。

睡眠中に呼吸が川砂以1止まる「無呼吸」や「低呼吸」の状態が、1時間に5回以上、または一晩で30回以上ある

睡眠時無呼吸症候群が重症になると、1分間のうちに30回以上も呼吸が止まるか、止まりかけている状態になります。2分に1回のペースで呼吸が止まっていることを想像すれば、それがどれだけ脳や体に負担をかけることか、おわかりいただけると思います。

しかも、睡眠中にこれだけ深刻な事態が起こつているにもかかわらず、自覚症状のない人の多いことが、この病気の怖いところです。家族から、あるいは職場の健診などで指摘を受け、医療機関を受診して睡眠時無呼吸症候群という診断を受けた人の約4割が「自覚症状がまったくない」と回答しています。

実際、昼間に無意識に眠りに落ちてしまうような重度の睡眠時無呼吸症候群の人でも、睡眠の問題を疑って専門の医療機関を受診するまでには、通常かなりの時間がかかります。

軽度~中度の無呼吸の場合では、さらに自覚するのは難しくなります。ときに、いびきや昼間の眠気、頭がぼんやりするといった症状に気づくことがあっても、それは「疲れがたまっているからだ」「年をとったせいに違いない」と、見過ごしてしまうことが多いのです。

動くと息が切れる、体重が増加した、高血圧が悪化したなどの問題の原因が、まさか「睡眠」にあるとは、思いもつかないというのが正直なところでしょう。