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若々しい脳をつくるには脳に豊かな経験をさせる

脳は、何歳からでも成長することをご存じでしょうか。「年とともに脳細胞は減るばかり」というのは、まったくの誤解なのです。

最近の研究で、脳の「海馬」の神経細胞は、何歳になっても増え続ける、という事実も明らかになりました。海馬は大脳にあり、記憶のメカニズムの中枢的な役割を果たしています。アルツハイマー病における最初の病変部位としても知られ、うつ病の患者には、海馬に萎縮が見られる傾向があります。

見たこと、聞いたこと、考えたことが、生きた情報として脳の海馬に一時保管され、それが次の機会に活用されることで脳がバージョンアップしていくのです。経験値が上がれば上がるほど、年を取れば取るほど「脳力」は高まっていく。そこが、体と違うところです。

先ほどの患者さんの例で言えば、「見たこと」「問いたこと」「考えたこと」 が、寝不足によって、栄養不足によって、ストレスによって、海馬できちんと処理されず、「記憶を作る」という作業が十分に行えません。物忘れが生じるのも当たり前です。

したがって、若々しい脳をつくるには、よい生活習慣を取り入れ、脳に豊かな経験をさせることが大切です。その秘訣がいくつかあるとしたら、まず、「脳を飽きさせない」こと。脳は「退屈」が大嫌いです。年を取ると、どうしても生活や思考がパターン化してしまいます。それが、認知症を引き起こす原因になるのです。

また、「普段、あまり使わない脳の部分をあえて使う」「脳の違うう部分を同時に使う」ことも重要です。脳の広範囲を、バランスよく活性化させることが脳に不可欠です。

くり返し言いますが、「記憶力や計算力の低下=脳の働きの低下」ではありません。何かむ単純に暗記したり、計算したりする能力は、10~20代がピーク。でも、その能力って、そんなに重要なことでしょうか。

私たちが人生を生きていくために本当に必要なのは、論理力、発想力、創造力、それに感受性や共感力などの能力です。その引き出しが多い人ほど、何歳になっても若々しくいられます。もちろん、認知症とも無縁でいちれるはずです。私は、そんな脳のことを「上り調子の脳」と呼んでいます。