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白井さんの頻尿の悩み1

白井伸子さん(仮名・68歳)は、20年ほど前からトイレが近くなったのを自覚し始めました。

「大画面で映画を観るのが大好きで、月2~3回は映画館に通っていましたね。でも40代後半くらいから、途中で必ずといっていいほどトイレに行きたくなつちゃって。それ以来、映画鑑賞はもっばらDVDになっちゃいました」(白井さん)

それ以後も年齢が上がるにつれ、ますますトイレが近くなり、50半ば頃には毎晩必ず1回はトイレに起きる始末。還暦を過ぎると、3回も4回も尿意を感じて目覚める夜も珍しくなくなったのです。

「こんなだから、いつも睡眠不足。あまりにトイレが近くて、よそのお宅にお邪魔した時などは、みっともないので我慢していました。それでとんでもない失態を……」(白井さん)

その失態とは尿モレ。お友達の家に5人集まって会話を楽しんでいた時のことだった。「大笑いした拍子に、座布団が濡れるくらいおもらししちゃったんです。今まで生きてきた中で一番恥ずかしかった」

実はこの屈モレ、女性の3人に1人が経験しているといい、高齢になるはどその頻度も増える。女性の場合、トイレが近くなることと尿モレのウラには、同じ事情があるらしい。

その事情とは、骨盤底筋という体内筋肉(インナーマッスル)のゆるみ。

血中の不要物は腎臓でろ過され、尿に変わり膀脱にたまる。そして一定量がたまると尿意を感じるのだが、日中は1時間あたり通常60mlの尿が腎臓から送られてくる。膀胱の容量は250~600mlと個人差はあるが、だいたい4~10時間で満タンになるというわけだ。これが過活動膀胱になると、100ml程度で尿意を感じて1時間ほどの間隔になり、我慢していると尿モレを引き起こすのです。

骨盤底筋は勝胱や子宮、直腸を下から支えているハンモックのような筋肉。骨盤底筋が頑丈なら、尿がたまって重くなった膀胱でも、しつかり支えてくれる。ところが、緩むと膀胱を支えきれずに垂れ下がってしまうため、わずかな量で尿意をもよおす。これが頻尿になる理由です。

そして骨盤底筋にはもうひとつの役割があります。それは尿の出口である尿道の開閉。普段は勝胱から尿が漏れ出さないように、骨盤底筋が収縮して尿道を閉めています。排尿時は弛緩して尿道を開けて出すのです。

骨盤底筋がゆるむとこのコントロールが難しくなり、思いがけない尿漏れを起こす。つまり頻尿も尿モレも、骨盤底筋のゆるみがもたらす弊害なのです。

この骨盤底筋の衰えを急加速させるのが、女性ホルモンの減少。頻尿になる時期と更年期(=女性ホルモン低下の時期)が一致するのはそのため。骨盤底筋のゆるみを補うためには骨盤底筋体操がおすすめ。毎日実行すれば、少しずつ衰えを防げるでしょう。